インスタントなどのドリップしたあとのコーヒーかすや豆がもったいないから、雑草の除草や虫除けで庭にまくことを考える人もいますね。
庭にまくことで雑草の生育を抑制したり、なめくじや虫よけ、また条件次第では土の代わりや肥料にもなるといわれています。
しかしデメリットもあり、やり方を間違えると失敗する可能性もあるんです。
そこで、コーヒーかすを庭にまくときのメリットや注意点、まき方などを紹介します。
コーヒーかすを庭にまくとナメクジやカタツムリは除去できる?
コーヒーのかすは虫除けの中でもナメクジやカタツムリの駆除には最適と言われています。
アメリカの実験によりますと、ナメクジやカタツムリはカフェインに弱いみたいですね。
ムカデなどの害虫にも効果的?
ほかにもアブラムシ、ムカデといった食害を引き起こす虫が寄ってくるのを予防してくれますね。
出やすい箇所か、家の周りに数センチ幅で撒くと良いですよ。
見た目が悪い場合は、コーヒーかす、たばこ、木酢液を混ぜた液体を地面や窓枠などの侵入しやすい経路に噴霧すると、ムカデも嫌がります。
庭や畑などのアリの巣にも効果的?
また、アリの巣の周りにコーヒーのかすを撒くことで、繁殖を防ぐことができます。
アリはお尻からフェロモンを出して、そのニオイをたどって行列を作るんですね。
そこでアリの巣付近や行列の通り道にコーヒーかすを撒くと、フェロモンが消えて行列出来にくくなります。
畑や庭にまくと雑草を除草できる?
コーヒーのかすは庭や畑に撒くと除草効果があるといわれていますね。
コーヒーのかすはそのまま撒くと、雑草が生えてこないようにする抑制効果があります。
なので、雑草が生えてほしくない場所にコーヒーのかすを撒くだけでいいのです。
ただし、あくまでも生育を抑制しやすくするだけなので、現在生えている雑草は抜いておく必要があります。
時間が経てば土の代わりになる
コーヒーのかすを肥料として使用すれば、有機肥料なので畑で育てている野菜なども自分で安全管理ができるので、安心して食べることができますね。
堆肥化するまでには時間はかかりますが(1年以上)、土や落ち葉などをまぜて置いておくだけと、とても簡単な作り方ですので試してみる価値はあります。
しかし、すぐに撒いてしまうと生育を抑制してしまうので注意です。
注意点やデメリット
雑草を抑制する効果があって便利なコーヒーかすですが、デメリットもあります。
育てている植物の生育も阻害してしまう
コーヒーの成分であるカフェインやポリフェノールは、は植物の生育を阻害する物質が含まれています。
なので、植物を育てている場所には撒かないほうがいいです。
カフェインはアルカロイドという成分の一種で、また、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が発芽や生育の阻害に影響しているんですね。
コーヒーかすを庭に撒いてしまうと、土壌で分解されるときにこれらの物質が生成されるんです。
ミミズは逆効果
コーヒーのかすはミミズにとっては大好物です。
なので、ミミズを駆除したくてコーヒーのかすを撒くのは逆効果です。
また、ゴキブリも好きな成分と嫌いな成分が入っています。
ゴキブリよけとしてはあまり意味がないかもしれません。
ゴキブリはむしろ寄ってくる!?
コーヒーのかすにはエチルフェノールという成分が含まれており、ゴキブリはこのエチルフェノールの香りが苦手なんですね。
「じゃあ効果があるのでは?」と思いますが、他にもコーヒーかすにはジメチルジスルフィドという悪臭の元となる成分も含まれているんです。
ゴキブリはこの悪臭成分が大好き。
ですので、効果的な成分もあれば逆効果の成分もあるので、トータルで効果的とは言えないんですね。
効果は期間限定
コーヒーかすを撒いてから効果が続くのは大体6ヵ月から1年といわれています。
継続させようと思うと半年に1回、最低でも1年に1回は撒く必要がありますね。
撒くのをやめると逆に雑草が増える
コーヒーかすを撒いて時間が経つと、微生物はかすの成分を分解し続けて窒素を作り出します。
窒素は植物の栄養になるので、そのまま雑草の栄養となってしまうんですね。
乾燥させないとカビる
湿ったままのコーヒーかすを撒いてしまうとカビが発生してしまいます。
撒く前には必ず乾燥させましょうね。
撒いてしまったら?
撒いてしまった場合、いったん引き上げて下記で説明している乾燥を行ってくださいね。
虫やカビが発生している場合は生ごみとして廃棄しましょう。
コーヒーかすを庭にまくときは犬に注意
猫はコーヒー豆の香りを嫌がるといいますが、犬の場合は誤って食べてしまうことがあります。
コーヒーかすにはカフェインが含まれているので、ペットにはよくありません。
自宅で飼っているわんちゃんが近づかないようにしましょうね。
コーヒーかすの庭へのまき方
庭の除草にもいいし、虫よけにもなるコーヒーのかすですが、撒き方を間違えると効果がありません。
コーヒーのかすはそのまま使うとカビが生えて何の効果もないので、必ず乾燥させてから撒いてください。
乾燥
乾燥は自然乾燥、電子レンジ、フライパンなどの方法があります。
自然乾燥の場合は、コーヒーのかすを新聞紙などに薄く広げて数日間天日干しにします。
家の中でも屋外でも構いませんが、家の中で乾燥させる場合は、湿気のない風通しのいい場所でする方がいいですね。
風の強いときに外に干しておくとコーヒーのかすが飛ばされてしまいますので気をつけてください。
電子レンジの場合は2~3杯分で、数分で出来ます。
- ラップなしで600W60秒~90秒加熱
- 熱にムラがあるので、取り出してコーヒーかすをかき混ぜる
- もう一度40秒~60秒ほど加熱
- 粗熱を取る
お皿で平べったくするとやりやすいです。
うちは4~5杯分なので、もう少し長めにしています。
フライパンでの乾燥は早いです。
焦げないようにかき混ぜながら、弱火でゆっくり炒めるだけです。笑
量にもよりますが、大体5分~10分程度で終わります。
フライパンが一番早く確実ですが、コーヒーかすはニオイを除去する効果もあるので、時々電子レンジでしたりもします。
土に混ぜる
除草、抑制したいところの土をならして、コーヒーかすをまんべんなく撒きます。
撒いたあとに、手でコーヒーかすをならしていきます。
大量のコーヒーかすが必要
コーヒー抽出残渣を投入した区画で緑肥作物を生育させると、1年目の夏作(コーヒー抽出残渣施用後13~89日)は、どの作物種も生育が抑制され、とくに高濃度区(10kg/m2)で顕著に抑制されました。
引用元:https://www.ucc.co.jp/company/research/future/residue.html
とあるように、大きい効果を発揮するためには1平方メートルで10kgのコーヒーかすが必要なんですね。
コーヒーかすは消臭にも効果的
コーヒーのかすはほかにもたくさん有効利用することができます。
しっかり乾かしたコーヒーのかすを玄関や靴箱におくとニオイを吸ってくれるので、消臭効果があります。
特に、除湿作用のある新聞紙に包んで、靴の中に入れておくだけでも消臭効果が期待できます。
また、たばこを吸う方には、灰皿に敷き詰めて入れておくと吸い殻のたばこ特有のニオイの消してくれますよ。
ほかにも、コーヒーのかすを乾かしたものを布や袋に詰め、針置き用のピンクッションにもなります。
これは、コーヒーのかすのちょうどいい油分が針を保護して布の滑りが良くなるし、サビ防止にもなっておすすめです。
コーヒーかすを庭にまくと雑草を除草できるのかまとめ
コーヒーかすには除草効果はありますが、育てたい植物がある場所には撒かないようにしましょう。
虫については虫ごとに効く効かないがあるので、「なんの虫か?」によって撒くようにするといいですね。
また、デメリットもいくつかありますので、やり方を守って撒きましょう。
ドリップしたおいしいコーヒーを堪能して残ったコーヒーのかすを捨ててしまえばそれで終わってしまいます。
しかし、たくさんの再利用法があり、私たちが生活していくうえで、害が少なくなるのはうれしいですよね。
除草や、虫よけ、消臭、お掃除などにも使えるので、せっかくドリップしたコーヒーのかすを捨てずに有効活用してみてはいかがですか。