社会人になり50代~60代になると、親族や友人のお通夜やお葬式に参列することも増えてくると思います。
そもそも香典には3つの意味があり、故人の霊前に供えるお香や線香代、故人への気持ちをお金で示したもの、喪主が支払う葬儀費用を少しでも補うもの、があります。
じゃあ金額も多いほうがいいのでは?と思いますが、失礼になる場合もあります。
また偶数奇数、枚数などにも意味があるんですね。
マナーを知らないと逆に失礼になる場合もありますので、親族や友人に対しての相場や注意点をチェックしておきましょう。
香典の金額が多いのは失礼?
故人との関係によっては多く包もうと思うタイミングもあるのではないでしょうか。
それがいいとも限りません。
ご祝儀の際は多くの幸せが訪れるように多めに包むこともあります。
しかしお金が重なるという意味でも、多くなると不幸が多く訪れる、重なるなどの意味合いにとられてしまうこともあります。
また、逆に負担に思われてしまうこともあります。
四十九日を迎えて忌明けをしたあと、香典返しと言って、故人の家族が香典をもらった人に香典の半分~1/3の金額のものでお返しを行います。
金額が大きければお返しの負担も大きくなります。
香典をもらった方に不幸があって葬儀に参列する際は、同程度の金額で香典を持参した方がよいという考えもあります。
相場内で周囲の人とも金額を相談して決めましょう。
香典で偶数はいけない金額?枚数も注意
相場内であっても避けたい数字の金額というのがあります。
偶数は割り切ってしまう
偶数は割り切れる数字なので、故人とのつながりを切ると言われています。
日本では昔からご先祖様が見守っていてくれるという考えからつながりを重んじてきています。
その考えから縁起が悪いとされています。
結婚式などでも割り切れる数字は夫婦の縁を切るという意味に捉えられてしまうので控えたい数字です。
特に2万円はお札が重なることから「不幸が重なる」と受け取られるのでタブーです。
「4」「9」は連想させてしまう
「4」は偶数ですがさらに「死」を想像させ、「9」は「苦」を想像させる数字ですのでよくないとされています。
日本では古くからそのように考え続けられています。
語呂合わせからくる風習ですが、気にする方も多いので控えておきましょう。
新札は使わない
新札を用意するときはわざわざ銀行からおろすことがほとんどです。
故人の死を準備していたかのように捉えられてしまうので新札も控えましょう。
かといってぐちゃぐちゃのお札もマナー違反です。
新札しかない場合には真ん中に1本折り線をいれましょう。
そうすることで新札扱いではなくなります。
お札の数も奇数にする
金額だけでなく枚数も奇数にします。
たとえば1万円を包む場合に5千円札を2枚ではなく1万円札1枚にして包みます。
関係別と50代の香典の相場
実際に包む金額ですが故人との関係性によって金額も変わってきます。
一般的な相場をご紹介します。
親族の香典相場
- 自分の親/配偶者の親
喪主になる場合には包みません。
出す場合には5~10万円(7万円)。
- 自分の祖父母/配偶者の祖父母
社会人になっていない場合には、親が包んでくれることもあるので出さなくてもよい。
出す場合は1~5万円。
- 自分の兄弟姉妹/配偶者の兄弟姉妹
3~10万円(7万円)。
※他の兄弟姉妹がいる場合、金額の差が出るとトラブルのもとになるので、出す前に相談することをおすすめします。
- 自分の近しい親戚/配偶者の近しい親戚
3~5万円。
普段からよくお世話になっている場合には多めに包むことも。
まったく関わりが無かった場合、少なめにすることもあります。
- 自分の遠い親戚/配偶者の遠い親戚
5000円~3万円。
普段からの関係性で金額を決める場合が多い。
親しい友人知人の親など
3000円~1万円。
親しい関係であれば1万円以上。
それ以外であれば3000~5000円が多い。
職場関係
5000円~1万円。
普段からの関係とまわりの包む金額をみて金額を決める。
※上司より多く包まない。
近所の人
3000~5000円。
自治会などで決まっているところもあるので確認する。
あくまで相場なので、場合と状況によって金額は変わるものです。
ご自身の年齢にもよりますので、参列される近しい方に相談しましょう。
機会が増えてくる50代の香典相場
年齢が上がるにつれて、機会が増えてきますね。
基本的には周りの親族、友人に合わせるのが良いです。
全体的に相談する雰囲気が無ければ、それぞれ紹介した上限が平均的ですね。
- 親 7万円
- 祖父母 3~5万円
- 兄弟 5~7万円
- 親戚 1~5万円(関わりによる)
- 職場 1万円
- 友人 1万円~(友人の親も「友人」として捉えるといいですね)
香典を包むときのマナーや注意点
香典を包むときには香典袋を使用しますが、故人が信仰していた宗教によっても使える香典袋は変わります。
香典袋にも様々な種類や包み方があります。
お札の入れ方
お札は香典袋に入れる際は肖像画が描いていない裏側を上にして入れます。
肖像画の顔を伏せることで故人との別れを惜しむという意味です。
中袋がある場合
表側に金額を真ん中に書きます。
改ざんを防ぐために漢数字で金〇萬円也と記載します。旧字体の漢数字を使用します。
裏側には袋の左下に、郵便番号・住所・フルネームを記載します。
中袋がない場合
直接香典袋にお金を裏向きに入れます。
中袋がなくても失礼にはなりません。
袱紗・布に包む
香典袋は袱紗もしくは布に包んで渡しましょう。
袱紗の色はお悔やみの時には、紫色・鼠色・藍色などを使います。
畳み方は、袱紗の中心より右に香典袋を表向きで置き、右→下→上→左の順に追ってから
右側のはみ出した部分を内側に折りたたみます。
まずは宗教ごとに使える香典袋と表書きの一般的なものをご紹介します。
仏式
(香典袋)無地もしくは蓮の花が描かれている
(表書き)御霊前・御仏前・御香典
※浄土真宗では御霊前は使わない
神式
(香典袋)無地
(表書き)御玉串料・御榊料
キリスト教
(香典袋)ユリの花・十字架が描かれているもの
(表書き)御花料
わからない場合
(香典袋)無地
(表書き)御霊前・御香典
水引の下段には自分の名前をフルネームで書きます。
会社として参列する場合は会社名・フルネーム・役職を記入します。
連名の場合は多くても3人程度にしましょう。
中心に1番上の人の名前を書き、左右に残りの2名の方の名前を書きます。
ご夫婦の場合は旦那様の名前のみフルネームで奥様は下の名前のみで大丈夫です。
香典金額が多いのは失礼かまとめ
香典の金額が多いのは失礼だと思うシーンとしては、「お金が重なる→不幸が重なる」といったニュアンスや、他の目上の親族や上司よりも金額が多いところが挙げられます。
金額の多さのほかに、数字のジンクスがあったり、マナーもあったりします。
香典は故人や個人の家族への気持ちで持参するものなので、急なことは言えどしっかりマナーを押さえるためにぜひ参考にしてくださいね。