茶席、お供え物の定番の落雁は、米などから作ったでんぷん質の粉に砂糖や水飴を混ぜて着色し、型に入れて固め、乾燥させた“打ちもの”と呼ばれる干菓子で伝統的な和菓子です。
伝統的な和菓子ですが、ルーツは中央アジアから中国を経由して室町時代に日名貿易を通じて日本へと伝わったと言われています。
それ以外にも、江戸時代に中国から長崎に伝わった落雁もあると言われています。
いろんな説がありますが、お盆のお供え物として仏壇に置いてあるイメージが強いので、ルーツを聞くと何となく意外ですね。
落雁はまずい?どんな味なのか
落雁が苦手な方もいるようですが、口に含むと固く感じますが、すぐにさらっとしてホロホロと崩れ奥行きのある上品な甘みがあるのが特徴です。
好んで食べられる方は、実に優雅な味わいだと言われます。
最近では、落雁の中に黒あんが入っているものもありますので、非常に食べやすくなっていますね。
普段食べているお菓子などに比べると素朴な味で、粉っぽい感じや口の中がモサモサして水分を奪われるような食感です。
好みもそれぞれだと思いますので、水分が奪われるのが苦手なかたは、お茶などの飲み物と一緒に一度ご賞味してみてはいかがですか。
落雁と和三盆との違いは?
落雁は、米や麦、豆などのでんぷん質の粉と砂糖や水飴を混ぜて型を押して乾燥させたものです。
一般的にスーパーなどでよく売られているものを見かけますね。
それに対して、和三盆は、徳島県や香川県だけで摂れるサトウキビから作られている砂糖の名称で、この和三盆糖を固めた干菓子を材料名のまま和三盆と呼んでいます。
作られる地域も限られていて製法自体も独特なことから和三盆は高級砂糖として知られています。
見た目はよく似ていて両方とも干菓子ですが、製法や、材料が異なります。
落雁をアレンジした食べ方
落雁って甘くて美味しいんですけど、やっぱり飽きるんですよ。
なのでその甘さを使った食べ方を紹介しますね。
シュガートースト
はじめにすりおろし器で落雁をすりおろしておきます。
食パンをトーストで焼いてバターやマーガリンを塗ってその上にすりおろした落雁をふりかけるだけでできあがりです。
とても簡単でサラサラの落雁は砂糖のように甘すぎず、あっさりとしておいしです。
クッキー
すりおろし器で落雁をすりおろしておきます。
バターをレンジで完全に溶かし、その中に落雁を入れて混ぜます。
そのあと薄力粉を入れてまた混ぜます。
オーブンを170度で余熱しておきます。
クッキングシートをオーブン皿に敷き、すきな大きさや形に丸めて並べて焼きます。
20分焼いたら冷まします。
サクサクホロホロのクッキーのできあがりです。
とてもサクサクしておいしいですよ。
大きい落雁の食べ方、アレンジ
そのまま食べるのもいいですが、大きい落雁を全部たべきるのはちょっと大変ですね。
意外とブラックコーヒーや紅茶などに入れるのもおいしいです。
他に粉々にして料理に使うと砂糖代わりにもなります。
色付けされた落雁はそのまま使ってしまうと料理によっては色が残ってしまうこともあります。
また、でん粉の成分が入っているので、溶かしたときにどうしてもとろみがついてしまいます。
とろみをつけたくない料理には使用しないほうがいいでしょう。
生姜湯を作るときは落雁を入れるとちょうどいいくらいのとろみがついてからだも温まるし、相性がいいです。
色がついた落雁は無糖のヨーグルトに入れると、ほんのり色もついて見た目もいいデザートができますね。
落雁の捨て方
お盆のお供え物は火を灯した灯篭と一緒に川や海へ流す灯篭流しという行事があります。
その時にお供えしたものは食べずに川に流すという習慣がありました。
最近では、環境問題に影響するということでいまだに灯篭流しをする地域では自治体が対策をして行われています。
今は、お供え物をそのままゴミに捨てる家庭も多いと思います。
気になる場合は、白い紙に包んでお清めの塩を一緒に入れて捨てることで、感謝と敬いの気持ちも込められて気が引けることなく処分できますね。
落雁はまずいのかまとめ
落雁といえば、お供え物のイメージが強いですが、もともとは茶の湯文化で親しまれていた室町時代から伝わる伝統の和菓子です。
落雁は干菓子なので、食べたら消えるということから「不幸も消える」と願掛けの意味も込められています。
落雁のもつ歴史や、お供え物として世の中に浸透した理由がわかると、落雁をお供えするたいせつさも理解できますね。
またそのまま食べるのを好む方もいらっしゃると思いますが、苦手な方には捨てることをいったん止めてみて、いろんなアレンジの方法があるのでぜひ活用していただきたいです。